看護師の転職活動をスムーズに進める3ステップ

看護師の悩み

ここでは、現役看護師が転職をした経験を基にした情報提供をします。
看護師で多いのが「転職」です。
看護師になってから、ずっと同じところで働いている人の方が珍しいかもしれません。
なぜ転職をするのか、転職活動をする際に知っておくべきポイントを紹介します。

看護師が転職を考える理由

一般的に転職を考える理由に一番多いのは、人間関係です。
看護師も同様に人間関係が理由で退職を考える方はいますが、女性社会であるため、出産・育児などで職場を変えざるを得ない状況が発生することも、転職が多い理由に挙がるでしょう。
また、自己研鑽の手段として、様々な経験をしておきたいと思うこともあります。

よくある転職理由

よくある転職理由
  1. 職場の人間関係
  2. 結婚・出産を契機に夜勤のない環境を探す
  3. 違う職場・異なる環境でのキャリアアップを目指す
  4. 給与・福利厚生に不満がある
  5. ワークライフバランスの重視

こちらの記事も参考にどうぞ

看護師を辞めたい理由TOP5 ~看護師としての働き方を見つめ直す~
看護師を辞めたいと一度は思うことがあります。ですが看護師ほど直接的に感謝される仕事はありません。それでも精神的に苦しい時もあることも事実ですので、転職するときに考えてほしいことを伝えていきます。

転職活動を始める前に確認すべきこと

転職活動を始める前に、まずはご自身が重要視する希望条件を明確にすることが大切です。
大切にしたいことはそれぞれ異なります。
下記のチェックリストに沿って、ポイントを絞ってみてください。

希望条件チェックリスト

条件選定のポイント
  • 通勤(自宅から近いほど負担は少ない)
  • 給与(現在の年収を調べる)
    ※月収は諸手当(夜勤込み)で記載していることが多い
  • 福利厚生(交通費、住宅手当、特別休暇、社会保障制度)
  • 勤務体制(2交代、3交代、変則2交代、時短勤務)
  • 職場の評判(口コミ、離職率)
  • 教育制度(ラダー制度やキャリアアップ支援)
  • 転職時期と採用条件

看護師転職サイトや転職エージェントの利用

自分で希望の場所がある場合は、その採用面接に合わせて退職を考えれば良いです。
ですが、急な退職や地元でない場合などは転職エージェントを利用することをお勧めします。

転職サイトは様々なものがあります。
大手であるほど抱えている案件が多く、紹介できる場所が多いことが特徴ですが、条件に合わない場合は、似たような案件を紹介するための案内が多いのも事実です。
利用登録は数分でできるため、他の場所を知りたいという軽い気持ちで登録すると、そのような煩わしさを感じることがあるかもしれません。

ですので、最初の条件選定が重要になってきます。
条件が定まっていれば、専門エージェントが今までの実績を踏まえて丁寧に対応してくれます。
エージェントでしか分からない内部情報を知れるのも利点であります。

看護師専門のエージェント

私は転職自体は、希望の場所が限定していましたので、直接問い合わせて面談しましたが、他の転職先はどのような条件があるのかを調べるために利用登録して情報を得ていました
市場を調査するのには、専門家に聞くのが一番有用だと思いますが、現在は「転職サイトは○○がいい」「○○転職5選」と、限定したエージェントを勧めているサイトがたくさんあります。

結局のところ、ご自身の希望に沿った案内ができるかは、各エージェントの力量でも異なりますし、抱えている案件が自分に合うかは、聞いてみないと分からないのが実状です。
ご自身の目で確かめて登録していただくのが、一番信頼できる情報かと思います。
登録や登録解除は簡単にできますので、情報収集の一環としてご利用してみるのもひとつです。

本来、一般企業に就職する際に、ほとんどの人が行っている就職活動の一環と考えれば、転職先を紹介してくれるエージェントを選ぶくらいの労力は大きな苦労ではないと考えます。

看護師以外の職種に挑戦したい

看護師2-3年目に多い悩みですが、実際に働いてみると、自分の考えていた看護師像と異なることで、看護師自体を辞めたいと考える人もいます。
特に高校卒業後、看護師の道を目指して社会経験を積まずにきた人に多い悩みです。

そのような場合では、新たに何がしたいのかを模索するところから始めなければなりません。
その状況に特化したエージェントもあります。

自分に合ったエージェントとのマッチングサービス

多くのサービスが出てきている中、何を選んで良いか分からない、少しでも自分の希望に沿うところを紹介してほしいといった希望を聞いて、自分に最適なエージェント選びを手伝ってくれるところも出てきています。

看護師転職のメリットとデメリット

「転職すれば今より良くなる」と思いがちですが、実際にはそれだけではありません。
やはり良いところもあれば、悪いところもあります。
「隣の芝生は青く見える」といいますが、外から見るのと内から見るのでは見える景色が違います。

看護師の多くは、大病院に勤めてから民間病院や施設・クリニックなど小規模の場所へ移ることが多いです。
これには結婚・出産などによる生活スタイルの変化が背景にあることが多いです。
私は逆に、民間病院から大病院へ転職して、自分の希望を叶えました。

専門職種であるので求人に困らないため、あまり転職に対してデメリットはないように思います。
一般企業で転職することを考えるのは、ほとんどはスキルアップのためや待遇改善のためでないと、メリットが見いだせないのが社会です。
人それぞれ仕事に対して大切にしたいところは違うものです。
特に最近は不景気のため、自分の生活は自分で守らないといけない風潮にあります。
他人の意見に左右されずに、自分のやりたいことを見つめてください。

看護師が転職をするメリット

転職をするメリット
  • 他の現場を知ることで知見が拡がる
  • 希望に沿った働き方ができる可能性がある
  • 待遇が良くなる場合がある
  • スキルアップが期待できる
  • 給与アップの可能性がある

他の現場を知れることは、看護師人生で考えると大きなメリットです。
色んな場所の色んな働き方があることを知るだけでも、自施設の改善にもつながります。
もちろん、働き方や待遇面の改善ができれば、それ以上のことはないでしょう。

看護師が転職をするデメリット

転職をするデメリット
  • 人間関係を一から築き直さなければならない
  • 仕事のルールが違うため、覚え直しが必要
  • カルテの操作が違う場合がある
  • 新卒採用者とは異なり、教育体制がないことが多い
  • 看護学校を持っている病院では、余所者扱いを受けることもある

転職のデメリットの方が目を引くかもしれません。
一番しんどいと感じるのは人間関係の構築です。
そしてこれが困った問題ですが、看護学校が付属にあるところでは、エスカレーター式に卒業してそのまま就職する方が多く、仲間意識が強い傾向があります。
更には、今までの働き方が身についているため、その自分を基準にしてしまうと、新たな場所は全てが異質なものに感じてしまいます。
それで、「なんでこんなことをしてるんだろう」「効率が悪い」などを感じることは、転職者あるあるです。
前職場と比較してもいいのですが、そこにはそこのルールを築いた経緯がありますので、それを知ってからでないと、批判してはいけません。

そして、中途採用者となってしまいますので、新卒者とは違って定められた教育がないことがほとんどです。
最初は戸惑うかもしれませんが、ある程度仕事をしてきた人と認識されているので、基本的なことはできて当然なのです。
ですが、そこにはそこのルールがあるので、結局ルールを知らないと何もできないのが現状です。
カルテのメーカーが変わると、使い方から覚え直さなくてはならず、通常の仕事を覚えるまでに時間がかかります。
わからないことを自発的に分からないと言える自分でないと厳しいでしょう。
新しいところになかなか溶け込めない人見知りが強い、などの傾向がある人は転職することで、よりつらい思いをしてしまう可能性があります。

まとめ

転職にもメリット・デメリットがあることが分かっていただけましたでしょうか。
大事なのは、なぜ転職したいのか何をするために転職するのか、を自分の中で明確にしておくことです。
そこに軸を置かなければ、せっかく良い条件のところに転職できたとしても、同じような悩みを抱えて、さらに転職を繰り返すことになってしまいます。

看護師は経験がスキルにつながるところはありますが、それは、同じ施設で部署異動をすることでも叶うこともあります。
それまで築いてきた施設でのキャリアも大事なスキルです。
どう動くのが理想に近づく近道なのか、内省を繰り返して臨んでいただければ幸いです。

著者プロフィール

がん化学療法看護認定看護師 看護師歴15年超。

看護師の養成学校では、がん看護を学ぶ機会は少ないです。
皆さんは臨床に出てから、関わり方に悩むことが多いと思います。
臨床に出てから困らないように、必要な知識や看護ケアを少しでも多く伝えられたらと思っています。
分かりやすく、使える知識が得られるようにしていきます。

個人の力では目の前の方にしか関われませんが、多くの方が同じ思いを共有して、今よりも良い関わりができるようになれたと感じてもらえることが目標です。
合わせて患者さん・ご家族さんも情報源として活用してもらえるようになれば幸いです。

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