看護師を辞めたい理由TOP5 ~看護師としての働き方を見つめ直す~

看護師の悩み

「看護師を辞めたい」と、多くの方が思ったことがあると思います。
この記事では、看護師を辞めたいと思う理由TOP5をご紹介します。
筆者も看護師になる前に、多くの転職を繰り返し、看護師としても1度転職しています。
転職は悪いことだけではありません。その経験が自分の看護の幅を広げることにもつながります。
ですがメリット・デメリットもありますので、筆者の経験も踏まえた内容をお伝えしていきます。

新たな決断を後悔しないような情報の一つになれれば幸いです。

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看護師を辞めたいと思う理由 5選

辞めたいと思う理由は、看護師だけではなく、他の多くの職場でも同じような悩みを抱えています。

  1. 人間関係
  2. 仕事内容
  3. 病院の給与体制
  4. キャリアの停滞
  5. ライフワークバランス

これを看護師に当てはめて、どのような理由があるのか具体的に示していきます。
看護師は、誰にも得られない喜びを得ることができる、素晴らしい仕事です。
それぞれの現場の状況と、看護師としてのメリットを示します。

人間関係の実状

  • 看護師の職場は女性が多い職場
  • 男性も増えているが2割に満たない職場がほとんど
  • 男女比率が偏ると、どんな職場も悪しき風潮があるもの
  • 特に医療現場はそれぞれの専門領域があり、その垣根を越えて調整する看護師は、コミュニケーション能力の高さが求められる
  • 女性社会はうわさ好きで、悪い噂はすぐに広まる
  • 医療現場にはハラスメントが多いのも事実
メリット
  • 病院では看護部が一番人数が多い。そのため、どの病院でも自分に合う人が必ずいる
  • 他職種との調整役として関わることが多い職種なので、多くの見解が聞ける
  • 多くの職種の見方を知ることで、知見を深めることができる
  • すべての経験は自らの看護観に結び付く

仕事内容の実状

  • 多くの看護師は「患者さんの役に立ちたい」と思って資格を取る
  • しかし働き始めて数年経つと、患者さんへの対応よりも、業務の効率化委員会活動病院の広報活動(学会活動など)に時間を割かれる
  • 両立させた上での患者対応になるので、要領の良さが重要になる
  • 思い描いていた看護師像と異なる」と思ってしまう人もいる
メリット
  • どんな職種よりも、看護師は人と深くかかわることができる
  • 家族も聞いたことのない話を自分にしてくれたり、心からの感謝の言葉をもらえたりする
  • 一生懸命かかわればかかわるほど、その人から気持ちを返してもらえる
  • 自分が得た情報で、治療の選択が変わることもある
  • 多くの人の話を聞くことで、様々な生き方・考え方を疑似体験でき、自分の人間性を高めることができる

病院の給与体制の実状

  • 看護師は高給という一般的な認識があるが、医療職の中でも昇給率が低い
  • 看護師長以上の地位でなければ、夜勤回数や残業・休日手当などで給与を確保する必要がある
  • 社会的に需要がある資格のため、職場に困らない点では優遇されているが、現役で働き続けなければならず、共働きでなければ生活に余裕は生まれない
  • 近年の働き方は、給与より働き方を重要視する傾向にある
  • 業務の分担化が進められているが、医師の働き方改革により、看護師に業務委託される部分も多くなってきている
メリット
  • 看護師は大規模病院ほど需要があり、福利厚生、賞与など安定している
  • 一般的にはクリニックや施設などより、病院の方が高給で安定している
  • 病院では、病棟全体で業務分担するため、一人にかかる負担は少ない
  • 日勤専従、夜勤専従、時短などの働き方が選べる

キャリアの停滞の現状

  • キャリアを積んでも給与に大きな変化がないため、多くの場合キャリアの停滞が起こる
  • 専門コース管理者コースがあり、専門コースは専門・認定看護師特定看護師がある
  • 専門資格は、自分の専門性を高めてより良い看護を提供したいというモチベーションだけで進んでいく道になる
  • 管理職になるためには、一つのところで経験を積むこと、周囲との調和がとれること、上司に気に入られることが条件になる
  • 夜勤なしで家族を支えられるほどの給料を得られるのは看護部長クラス
メリット
  • 病院によっては資格取得のための支援制度がある
  • 学びたい意欲があれば、看護協会や外部の勉強会がたくさんある
  • 資格があると仕事は増えるが、自分が実現したい看護を追及できる
  • 管理者としては、次世代を育てスタッフの働きやすさを追求し、部署を作っていける

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ライフワークバランスの実状

  • どんな仕事でも、自分が何を大事にして働くかを考えなければならない
  • 頑張っても報われないと思うようになると、バーンアウトの要因となる
  • 結婚して専業主婦という選択もあるが、仕事や給与への男女間の価値観は異なることがある
  • 産前産後の休暇後、働き方を変える必然性がある
  • 時短勤務や日勤専属などの働き方があるが、その分給与が下がる
メリット
  • 好きな働き方を選べるような体制に変わってきている
  • 残業を少なくする取り組みをする傾向にある
  • 業務分担を整理し、一人の負担を減らすような傾向にある
  • シフト構成を見直し、夜勤時間を短く、日勤の種類を増やすなどの取り組みがある

看護師資格で働ける職場 5選

どうしても他にやりたい事がある場合は、違う世界に身を投じるべきでしょう。
看護師として働きたいが待遇や現状を変えたいなら、職場を変えてみるのも良いでしょう。

看護師資格は専門職として、様々な求人があります。
社会に出てみて分かったことも多いと思いますので、その中で自分がどんな職場が良いと思ったか、どのように働きたいかで考えてみれば良いでしょう。

下記5つの職場のメリット・デメリットを示します。

1.病院
2.訪問看護ステーション
3.デイサービスや老人保健施設
4.応援ナース
5.看護教員

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病院で働くメリット/デメリット

【メリット】

  • 病院も企業。公立と民間では給与体制が異なるが、福利厚生が整っている
  • 看護部は人員が多いため、急な休みでも対応できる
  • 職員が多く、仲間ができやすい
  • 急な出勤はほとんどなく、プライベートの時間も確保しやすい

【デメリット】

  • 委員会や看護研究などの仕事が増える
  • 夜勤や残業で、手取りが大きく変動する
  • 部署異動があると他科の業務を覚え直す必要がある
  • 様々なシフト形態があり、慣れるまで体調管理がしにくい

訪問看護ステーションのメリット/デメリット

【メリット】

  • 自分で立ち上げると施設長として経営者になることができる
  • 常勤として働いていると管理者になりやすい
  • 一人一人の患者さんの生活に、より近くで関わることができる
  • 自分たちが理想とする看護ケアを実現しやすい

【デメリット】

  • オンコール制度があり、当番の日は予定が入れづらい
  • ステーション自体にスタッフが少ないため、急な休みは取りづらい
  • 個人事業と法人があり、給与や福利厚生にばらつきがあるが、病院よりは少ない傾向
  • 定時に帰りやすいが、利用者さんの都合によるところが大きい

デイサービスや老人保健施設のメリット/デメリット

【メリット】

  • 介護士との業務分担がはっきりしている
  • 療養・看取りが基本となり、緩和ケアを充実させられる
  • ケアは介護士メインとなるため、体力的には病院より楽になる

【デメリット】

  • 正社員としては給料は低めで、パート・アルバイトでは高い傾向にある
  • 介護メインなので、看護師として色々な経験を得ることはできない
  • 年齢層が高いので、上昇志向で入職するのは厳しい

応援ナースのメリット/デメリット

【メリット】

  • 期間限定で普段できない経験ができる
  • 離島医療や災害医療の現場にも行けて、知見が広がる
  • イベントの救護班や団体旅行の付き添いなど、楽しみながら働けるものもある
  • 勤務先が気に入れば、交渉次第で継続して勤務できることもある

【デメリット】

  • 短期間契約が多いため、仕事は安定しない
  • 独身の間でないと経験することは難しい
  • 責任感が強くないと派遣先の迷惑になり、派遣元からも仕事を紹介してもらいにくい

看護学校教員のメリット/デメリット

【メリット】

  • 次世代を育てる、学生指導が好きな人はやりがいを持って働ける
  • 自分が大事にしている看護観を伝えられ、次世代が実践してくれる可能性を期待できる
  • 看護学を深掘りして学ぶことができ、世に広める研究を行える
  • 夜勤なし、オンコールなしで給与が安定し、高所得も目指せる

【デメリット】

  • 患者でなく、生徒の教育が好きでないと続けられない
  • 看護研究が必要なため、色んな事に疑問を持てることが必要
  • 自分の看護観が確立していないと、教える内容がブレることがある
  • 看護学の発展、授業準備、実習記録や採点などの仕事があり、持ち帰り仕事が多い

転職を決める前に考えるステップ 5選

求人が多いため働き方を選べるというメリットはありますが、いろんな経験をしたいからと職場を転々としてしまうと、目的を見失いがちです。
自分が何をしたいのかを明確にした上での転職をお勧めします。

ではどのように考えれば目的を明確化できるかは、次の5つを推奨します。
自分の転機には、内省することがとても大切です。

1.なぜ看護師になろうと思ったのか
2.看護学校時代に、どのような看護をしたいと思っていたか
3.初めて働きだした時、どのような看護師になりたいと思っていたか
4.実際に看護師として働いて、考え方がどのように変わっていったか
5.今しかできないやりたい事はあるのか

なぜ看護師になろうと思ったのか

「初心に返る」ことが何よりも大事です。
新しいことに触れていくと、より新しいことの方が良いものに見えてくるものです。
結局何がしたかったのかという後悔を生まないためには、資格を取ろうと思った原点に返ることです。
それがあなたの原動力となったきっかけですので、まずは振り返ってみましょう。

看護学校時代に、どのような看護をしたいと思っていたか

具体的に看護師への道を歩き出したら、また見える景色が違ったことでしょう。
実習で初めて患者さんと話した時。
実際に働いている看護師さんの姿をみたり、話を聞いたりした時。
色んな事を感じて、「自分はこうなりたい」と思ったことがあるのではないでしょうか。
それがあなたの理想となっていたのではないでしょうか。

初めて看護師として働きだした時、どのような看護師になりたいと思っていたか

実習では分からなかった場面がたくさんあったと思います。
その都度考えたことは違ったと思います。
その時に何が理想の看護師像で、何が反面教師像だったか以前より明確になったでしょう。
どのようなことだったかを振り返りましょう。

実際に看護師として働いて、考え方がどのように変わっていったか

さらに年数が経つと周囲が見えるようになり、再度考え方が変わったと思います。
理想ばかりでは立ち行かない事や、反面教師と思っていたことが実は仕方のないことだったり、全ては患者さんのために行われていたことだったのが分かったり、より現実的に看護師という職業と向き合うようになっているはずです。
その中で、自分がどのように在りたいかが分かるようになってきているはずです。

今しかできないやりたい事はあるか

これまで自分史を振り返ってみて、今考えていることは、今しかできない事なのかを考えます。
人生の転機はいくつもあって、転職を考える時期もその一つです。
よって、今動かないと後悔することなのか、ただ今の状況を打破したいだけなのか、なりたい自分により近づくための方法になるのかを考えます。
じっくり考えて今動く時だと思うか、現状から逃げているだけなのかを見極めましょう。

私自身が考えてきたこと

自分史を振り返って目的が明確になれば、大きな後悔はしないと思います。
多くの転職先がある中、どこが一番良いかは働いてみないと分からないこともあります。
自分で探すのも、転職エージェントを利用するのも良いでしょう。
新しいことしたいと思うと、他にも色々なことをしてみたいと欲が出てきます。
目的が明確であれば、自分を振り回されることなく、スムーズに進めていけるでしょう。

最後に私が転職する過程で考えてきたことを、参考にしていただければと思います。

  • 看護師になる前に前職があり、給与や待遇面で転職を考えた
  • 人に深く関わりたいと思っていたが、たまたま勧められた看護師になることを決意
  • 学生時代は勉強にブランクがあったため大変だったが、実際に患者さんと話してみて、もっと患者さんのために自分ができることをしていきたいと思った
  • 実習でも病院でも、心無い先輩の言葉や態度に傷つくこともあったが、患者さんはいつも感謝をしてくれ、気を遣ってくれる。その感謝を返していきたいと思うようになった
  • 返せるようになるには、自分がもっと実力をつけていかないといけないと思い、認定看護師過程を目指した
  • 知識・技術を活かせるようになると、自分も患者さんも満足度が上がっていくのを実感でき、自分の手の届く範囲の人に、できる限り関わりたいと思う
  • 給与アップ、待遇改善を目的に病院探しをするが、より自分の目的にあった患者層を受け入れている病院に絞って探した
  • 結果、どちらも満足のいく転職になったので、継続して勤務する

上記のように、何をしている時が楽しいか・自分らしくいれるか仕事にして苦痛にならないかやりがいをもてるか、などを考えておくことが大事です。
皆さんが看護師として、看護が楽しいと思える職場・尊敬できる人に出会えることを応援しています。

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↓こちらの記事も参考にどうぞ

看護師の転職活動をスムーズに進める3ステップ
看護師が転職を成功させるために考えておかなければならないことを伝えます。色んな転職サイトが乱立しており、どこにでも求人があるのは事実ですが、自分がどのような環境を望んでいるのかを明確にしておかなければ、再転職することにもなりかねません。専門職であるからこそ、たくさんの働き方がありますので、自分にあった職場というのは、自分の理想にどこまで近づけるかということになります。

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てんせいチャンネル
認定看護師10年経過。 日常の看護の疑問や、専門分野であるがん看護の大切さややりがいなどを中心に、日常の看護の役に立ち、楽しいと思えるような情報を知ってもらいたいです。 看護学生からベテラン看護師、患者・家族まで、「改めてわかった」と思える...
著者プロフィール

がん化学療法看護認定看護師 看護師歴15年超。

看護師の養成学校では、がん看護を学ぶ機会は少ないです。
皆さんは臨床に出てから、関わり方に悩むことが多いと思います。
臨床に出てから困らないように、必要な知識や看護ケアを少しでも多く伝えられたらと思っています。
分かりやすく、使える知識が得られるようにしていきます。

個人の力では目の前の方にしか関われませんが、多くの方が同じ思いを共有して、今よりも良い関わりができるようになれたと感じてもらえることが目標です。
合わせて患者さん・ご家族さんも情報源として活用してもらえるようになれば幸いです。

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